ピクルス

ドイツの食卓に欠かすことのできない名脇役がピクルス(酢漬け野菜)です。大小さまざまなキュウリ、白キャベツに赤キャベツ、にんじん、ピーマン、赤カブ(ビート)、カリフラワー、セロリ、ラッキョウ、カボチャなど、色とりどりの野菜が食卓を彩ります。ドイツ人はピクルスが大好きです。

ガーキンス(Gherkins)
ドイツのキュウリはパリッとして堅め。新鮮なキュウリにスパイスやシーズを加え、マイルドなビネガーに漬け込みます。そのままかじってビールのおつまみに!みじん切りにしてソースやドレッシングにもどうぞ!ハンバーガーの上にのせれば大人の味に変身します。

コーニッション(Cornichons)
コーニッションとは、1kgで60本以上ある小さなキュウリ。若いうちに採取するため、ほとんど種がありません。スパイスのきいたコーニッションはビールのおつまみに最高!どんな料理にもよく合う、食卓に欠かせない一品です。

ミックスピクルス(Sauer eingelegtes Gemüse)
コーニッション、赤ピーマン、カリフラワー、にんじん、ベビーオニオン、ベビーコーン。。。カラフルでヘルシーな野菜のミックスピクルスは、クリスピーな美味しさのメドレーです。食卓を鮮やかに彩ります。

ザワークラウト(Sauerkraut)
真っ白できれいなドイツのキャベツは、コシのあるシャキシャキした歯ざわりが楽しめます。細かく刻んだ白キャベツを塩漬けにして自然発酵させたザワークラウトはドイツを代表するピクルスです。赤キャベツのザワークラウトは、特にクリスマスやイースターの食卓を演出するのに欠かせません。


ザワークラウトは、低脂肪・低カロリーのヘルシー食品
 ザワークラウト(Sauerkraut:酸っぱいキャベツ)は、タタール遊牧民が作り出したと伝えられ、ビタミンCを含む保存食として広く知られるようになりました。壊血病を予防するために、長い航海の船にはレモンやジュースとともに、ザワークラウトが積み込まれたそうです。今ではドイツの国民食と言われるほど、ドイツ人の食卓に欠かせないものとなり、ドイツ人1人あたりのザワークラウトの年間消費量は約1.8キロといわれます。ドイツの街角ではパンにソーセージとザワークラウトをはさんだホットドッグやサンドイッチが売られています。ドイツばかりでなく、塩漬した牛肉と共にパンにはさんだものは「ルーベンサンド」と呼ばれ、ニューヨークの名物料理の一つになっています。
 ドイツにおけるザワークラウトの製法は、産地やメーカー、また各家庭によっても若干異なりますが、基本的には新鮮な白キャベツを繊切りにして刻み、香辛料とともに塩漬けにして自然発酵させたアルカリ性食品です。日本語では「酢漬けキャベツ」と訳されることも多いのですが、この酸味は乳酸発酵によるもので、酢に漬けているわけではありません。ドイツのザワークラウトは塩を揉みこんで自然発酵させた発酵食品なのです。

 香辛料にはディルシード、キャラウェイシードなどがよく使われ、ザワークラウトの爽やかさが生まれます。白ワインを加えて漬け込まれることも多く、一旦水洗いして塩ぬきをした後、白ワインに漬け込むこともあります。さらにはジュニパー、クローブ、ペッパーコーンなど多彩な香辛料や、ビール、りんご、オニオンなどを加えると風味豊かなザワークラウトができあがります。本場ドイツのザワークラウトはキャベツの甘みと特有の酸っぱさが絶妙なハーモニーを醸し出し、コシのあるシャキシャキとした歯ざわりが楽しめます。また、煮込んでもシャキシャキとした歯ざわりを保ち、ハム、ソーセージ、肉料理の付け合わせに最適です。軽く油で炒めたり、スープ(Suppe、ズッペ)などの煮込み料理の材料としても用いられます。
 

ザワークラウトという名前は知っていても、低カロリーでヘルシーな自然食品としての実力をご存知の方は少ないのではないでしょうか?そもそもキャベツは葉2枚にレモン2/3個分のビタミンCを含むほか、ビタミンA、チアミン、リボフラビン、カリウム、植物繊維を豊富に含みます。また、野菜のなかでビタミンKを最も多く含む(100グラム中800ug)ことも特徴的です。ビタミンUは胃や十二指腸の潰瘍を治す働きがあり、日本でもビタミンUを主成分とする胃腸薬が市販されています。1/2カップのザワークラウト(水分を含んだ状態)は、4グラムの食物繊維、1日の標準摂取量の25%のビタミンCを含みながら、わずか19カロリー、脂肪分ゼロです!キャベツをたくさん食べるのは難しくても、ザワークラウトならどんどん食べられそうです。
 最近はドイツ以外の国々でも、低脂肪・低カロリーのヘルシーな食品としてザワークラウトに対する注目が集まっています。ソーセージや肉料理の付け合せとしてだけでなく、サラダに加えたり、ピザのトッピングにも使われ、ザワークラウトを食べた後の缶に残った水分をテンダライザー(肉を柔らかくする)として使われます。さらにはデザートとしてザワークラウトを使用したシャーベットやケーキ(例:チョコレート・ザワークラウト・ケーキ)も登場しています。