今日はドイツ文化センター主催のイベントへ行ってきました。
フリージャーナリスト、作家、レストラン評論家で料理と食肉加工も習ったエルヴィン・ザイツさんによる、ご著作の朗読と、その後シュニッツェルのデモンストレーション。
シュニッツェルについてのお話が面白かったです。
まずシュニッツェル(Schnitzel)とは、スライスしたものという意味。
最大の特徴は衣にあり、小麦の白パン、ゼンメルを粉にしたものを使う。
隣国と違い、一個ずつ食べる小さいパンは昔ドイツにしかなかったそうです。他の国はバゲットやチャバッタなど、切って食べるパンばかりだったとか。
ゼンメルは小麦ですが、昔はライ麦パンより高価なもので、庶民の憧れでしたが、難点はすぐに硬くなること。
硬くなったゼンメルの利用法の一つとしてパン粉が作られるようになりました。
しかし、このパン粉の最初の利用法はソースで、麺を食べる時、バターを溶かしパン粉を入れて炒めてソースにしたものをかけていたのだそうです。これが16世紀くらい。
で、18世紀になってこの粉を衣として利用したシュニッツェルという料理ができました。
今はヴィーナーシュニッツェル=ウィーン風シュニッツェルと言われますが、最初はドイチェシュニッツェル(ドイツ風シュニッツェル)と呼ばれていたそうです。それが、19世紀のドイツ皇帝がウィーンに住んでいたためヴィーナーシュニッツェルと変わりました。
仔牛肉でも作るのでカルプスシュニッツェル(Kalbsschnitzel)とも言います。
シュニッツェルの作り方は、肉を叩いて薄く大きくし、衣でふっくらさせますが、これはカツラやハイヒールで実物大より大きく見せたバロックのスタイルそのものと言えます、とザイツさん。
そしてもう一ついいシュニッツェルの特徴は、衣がふんわりとドナウ川のように波打っていえ、でも食感はサクッとしていること。
中はジューシー、外はサクッと。
この相反する食感が、この古い料理が今も好まれている理由だと話してらっしゃいました。
実際作っていただいたシュニッツェルは確かにサクッとしてましたよ。
今度ザイツさんの本買ってみようと思います。
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