ドイツワインの地域

ドイツワインは品質の高低に関わらず、13の地域で醸造されています。

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1. アール(Ahr) 

アールはライン河の支流アール川沿いの小さな地域で、険しい斜面に沿ってブドウが栽培されています。土壌は火山岩の混ざった粘板岩からなり、赤ワインの生産者の多い地域です。

赤ワインは、シュペートブルグンダー、ポルトギーザーを中心に、比較的タンニンの少ないなめらかで口当たりがよく飲みやすいワインが造られています。白ワインは、主にリースリング、ミュラー、ドゥルガウから酸味の生き生きとした個性の強いワインがあります。

 

2. モーゼル・ザール・ルーヴァー (Mosel-Saar-Ruwer)

コプレンツでライン河と合流するモーゼル河と、その二つの支流、ザール河とルーヴァ河の三つの河の流域にあるワインの産地です。モーゼル河上流と中流、下流には異なった様々な土壌からなります。その中流にあるベンルンカステル地区では、粘板岩質の急斜面でその上にシーファーと呼ばれるスレート上の石が畑の表面を覆う特殊な土壌からは、モーゼルワインを代表するフルーティーで豊かな香りを持ったワインが醸造されています。ワインのタイプは色々有り、果実風味のあるものから、土臭いもの、スパイシーなものまで幅広く醸造されています。モーゼル河上流では、ゼクトの主原料となるエルブリング種が栽培多く栽培されています。

 

3. ミュテルライン (Mittelrhein)

ナーエ河の河口、ビンガーブリュックからコブレンツの北にあるジーベンゲビルゲまでのライン河沿いの130kmにわたって広がる細長いブドウの栽培地域です。粘板岩質の土壌の傾斜面にブドウが栽培されています。白ワインはリースリング種を主にフレッシュで生き生きとした酸をもち、香りの高いワインを醸造している。また時には素朴な味わいを持っています。ミッテルラインは観光地域でもあり、古城が点在しています。地元消費が多く輸出量は少ない。

 

4. ラインガウ (Rheingau)

ロルヒからアスマンズハウゼンを経てヴイスバーデンまでのライン河の北岸の地区で、南受戒の日当たりのよいブドウ畑が広がります。さらにマイン河の河口に近いホッホハイムの町もこの範囲に入ります。土壌は、沖積世の土壌に黄土層、粘板層の微粒砂土と風化した粘板岩からなり、ワインはエレガントでフルーティで、洗練された香りととく得な力強い味などを備えた品質のある高級ワインが醸造されています。また、ドイツワインの中でも特に銘醸ワインの産地としても有名な産地で中心的な地域です。白ワインは主にリースリング種から醸造され、赤ワインは、アスマンズハウゼンでシュペートブルグンダー種から品質の高いワインが醸造されています。

 

5.ナーエ (Nahe)

ビンゲンでライン河に注いでいるナーエ河流域一帯のブドウの産地で、多種多様の土壌の上に広がっています。高度質粘板質の微粒砂土と、石英岩、斑岩の混成からなり、北部はロームと砂岩が多く、ラインヘッセンのワインと似ています。南部は粘板岩質土壌からなり、主にリースリング、ミュラー・ドゥルガウ、シルァーナが栽培されており、リースリングからは、モーゼルワインの花の香りと、ラインガウの上品さも備えているワインです。また、土壌の変化に伴ない複雑な個性を沢山楽しむことが出来るワインです。

 

6.ラインヘッセン (Rheinhessen)

西はナーエ河、北と東はライン河に競っているドイツ最大のブドウの栽培地域で主に、ミュラー・トゥルガウ、シュヴァーナが栽培されています。なだらかな丘陵地帯に囲まれた地域で土壌は黄土層に石灰岩と砂岩の混成した微粒砂土からなります。ソフトでデリケートで柔らかでまろみがあり、こくを持つ果実の風味が豊富なワインです。

 

7. ファルツ (Pfalz)

ヴォルムスから南方のフランス国境近くのシュバイゲンにいたる広大な地域で、多くは粘土質の義竜砂土と風化された石灰岩からなり、粘土と泥灰土の混壌からは、豊かで心地よい香りを持つワインが醸造され、石灰岩粘土、黄土の混合土壌からは、軽くてフレッシュで、また、時には強烈なワインが造られています。また、このファルツ地区はドイツでも温暖な気候に恵まれ、ワインの生産量としては最大で、主にリースリング、ミュラー・トゥルガウ、ケルナー、そして赤ワイン用のポルトギーザーが栽培されています。

 

8. ヘシュシェ・ベルクシュトラーセ (Hessische Bergstrasse)

日本人の観光客にも人気の高いハイデルベルグの北に位置し、西にライン河、東にオーデンの森に接するブドウ栽培地域で土壌は黄土層からなり、風味豊かな芳香性の高い、柔らかで果実未のある力強いワインが醸造されています。主に、リースリングが栽培されています。

 

9. フランケン (Franken)

マイン河とその支流の両岸の斜面にあり、西側のドイツでは、最も東側に位置するブドウ栽培地域です。土壌は黄土層、石灰岩、砂岩からなり、主にミュラー・ドゥルガウ、シュヴァーナが栽培されています。この地域のワインの特徴は、すっきりとした辛口ワインが多く醸造されています。Q.b.A. 以上のワインは、ボックルボイテル(Bocksbeutel) と呼ばれる袋状の丸瓶に詰められて販売されています。

 

10. ヴュルテムベルク (Württemberg)

ネッカー河とその支流の両岸の傾斜地にあるブドウ栽培地域でドイツ最大の赤ワインの産地です。土壌は貝殻を含んだ石灰岩、黄土層、泥灰岩からなっています。ワインは、飲み応えのある力強い独特の土からの風味がある。主にトロリンガーを中心に、シュペートブルグンダー、ミュラーレーベ、レンベルガーから造られるワインは高い品質も持っています。ドイツ最大の赤ワイン産地として有名です。

 

11. バーデン (Baden)

北のハイデルベルグから南のボーデン湖まで細長く続いているブドウの栽培地域で、ドイツでは最南端のワイン生産地です。土壌は黄土層、粘土質の微粒砂土、火山岩、貝殻石灰などからなっています。 そのお陰で、白ワインは非常にこくのあり、赤ワインは丸みのある柔らかなものや特徴が鮮明な気性の厳しいものがあります。

ボーデン湖畔では主に、シュペートブルグンダー、マルクグレーフランドでは、グートエーデル、カイザースツールでは、ルーレンダー、シュペートブルグンダー、トラミナーが栽培されています。

バーデン地域では、ドイツでも南に位置するためEUの区分けゾーンでは、バーデン地域を2つにわけ北部をAゾーン、南部をBゾーンとして、分けられています。

 

12. ザーレ・ウンストルート (Saale-Unstrut)

エルベ河の支流、ザーレ渓谷とウンストルート河流域に位置するブドウ栽培地域です。ブドウの栽培ではドイツの中で最も長い歴史があります。最古のブドウ園は1066年にできたといわれています。土壌は貝殻を含んだ石灰質と砂岩からなっており、ミュラー・トゥルガウ、シルヴァーナ、ヴァイスブルグンダーから果実味の豊かな辛口ワインが造られています。

 

13. ザクセン (Sachsen)

エルベ河に接する、ピルニッツ、レーデボイル、マイセン、ディースバール・ゾイスリッツで囲まれた比較的小さなブドウ栽培地域です。土壌は砂岩、斑岩、粘土質の微粒砂土とその他多種の混成土壌からなっています。

ブドウ品種は、ミュラー・ドゥルガウ、リースリング、ヴァイスブルンダー、トラミナー、ケルナーなどが栽培されています。

すっきりとしたフルーティーな酸を持つ辛口のワインが造られています。ゾイスリッツではレッド・トラミナーから軽い赤ワインが造られています。