アルプス山地に伝わるイースターのパン

南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)で面白い記事を先日見つけました。
今週はイースター(Ostern)
各地でいろいろな風習、パン、菓子がありますが、これはアルプス山地に伝わるもの。

Lamplbrotというパンです。Lamplは、この地方の方言で羊(Lamm)を表します。羊はイースターのシンボルの一つでドイツ語ではOsterlammと言います。

このパンの特徴は、なんと羊の血を使って焼くというもの。オーバーバイエルン地方、チロルのプステリア峡谷などではこうしたパンが作られていたそうです。

イースターの時期に挽いた粉、そしてイースター用に屠畜した羊の血を使って焼きます。これを食べると悪い物から身を守る力が与えられ、一年中安心して暮らせると信じられていたようです。

今ではこの風習はもうほぼ見られないそうですが、このパンを紹介しているミュンヘンのパン職人、シェーンレーベンさん曰く、「伝統はその時代に合わせていってもよいのではないか」。彼は血の代わりにここではラズベリーの果汁を提案しています。

それではレシピです。
材料:
小麦粉 500g
ラズベリー果汁 200g(生のラズベリー約280g)
生イースト 30g
砂糖 50g
バター 50g
塩 7g
卵黄 2個
全卵 2個
レモンゼスト 少々
サワーチェリー(ドライ)少々を粗刻みする
コショウ 一つまみ
レーズン 50g
ピスタチオ 40g(ローストしたもの)

作り方:
1.ラズベリーをピューレして濾し、果汁を200g取る。卵1個、チェリー、レーズン、ピスタチオ以外の材料と混ぜ合わせ、なめらかで柔らかな生地に捏ねる。
チェリー、レーズン、ピスタチオを加え混ぜ込む。
生地を包んで30分ほど休ませ、その後またこねる。

2.280gの生地を4つ取り、丸める。覆いをかぶせ、さらに30分ほど置く。

3.生地をそれぞれ丸く平たい形に整え、ベーキングシートを敷いた天板に並べる。
卵1個を溶き、表面に塗り、すぐにまた覆いをかぶせて再度30分置く。

4.3倍ほどの大きさになったら、表面に十字の切込みを入れ、180度のオーブンで30分焼く。焼き上がりに溶かしバター(分量外)を塗る。

生地には写真がないのでわかりづらいかもですが、週末お時間ある方、ぜひトライしてみてくださいね。

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こうした地方の伝統的なパンをこれからも収集していきたいと思います。

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